通いたくなる町、大曲。
仕事で秋田県大仙市の大曲に行ってきました。
大曲といえば、「大曲の花火」で有名な街。
大曲駅前から伸びる商店街には「花火通り」という名前がついているくらいです。
その、花火通りに「毎日大曲」があります。
毎日大曲は、空いている古い建物をリノベーションしたスペースで、
錆びたトタンがとてもいい味を出していました。
そっと、ドアを開けると、まるで内蔵(うちぐら)のように、中にもう一つ引き戸があります。
その引き戸も開けてみると、そこは「道具屋さん」でした。
あえて雑貨屋さんと書かないのには意味があります。
この「ミンカ」という店のことは、以前から知っていたのですが、ずっと「雑貨屋さん」だと思っていました。
でも、店に入るないなや、目に飛び込んできたのは「いい塩梅の道具たち」だったのです。
よく、雑貨屋さんや、おしゃれなインテリアショップに行くと、雑誌などでみる、ハイセンスなグッズが並んでいます。
手にとってみるのですが、自分の生活に当てはめてイメージしてみると、なんだかしっくりこないことが多いのです。
ところが、こちらの「ミンカ」は、違いました。
手に取るものが、かなりの割合で、使い勝手をイメージすることができました。
こんなにイマジネーションが湧いてくる道具屋さんは、初めてでした。
しかも、決して高くない!
わたし、ここにある物、全て見たくなりました。
もちろん2階にも行きました。
そこで、見つけました。
今わたしが欲しかったもの。
「エプロン」です。
わたし、背が高いのです。
だから、おしゃれな雑貨屋さんのエプロンは、可愛すぎるんです。
身につけると、なんかしっくりこないことが多いのです。
無地のものだとサイズ感が良いエプロンも見つかるのですが、無地は、汚れが気になってしまうんです。
え、洗えばいいじゃん? って?
まあ、そうなんですけど。
それだけじゃなくて、普段の服が地味なので、エプロンはパッと明るくしたいんですよね。
そして、首にかけるタイプではないものを探していたんです。
首にかけるタイプのエプロンは、首が凝るんですよね。
そんなワガママな、デカいお母ちゃんに、ビタっとはまるエプロンがあったのです。
miNca オリジナル「掌tanagocoro」 made in OMAGARI
アフリカンバティックを使った1点もの!
わたしのような、高身長でもミニスカにならず、首も凝らず、柄はアフリカンバティックなので、とっても素敵!
後ろがクロスになっていて、上からかぶるタイプなのですが、後ろで紐を結ぶ必要がないのです。
そして、ポケットの位置!
手を入れたら、これがまたしっくりくるんです。
あまりに自分にビタっとハマったので、会計の時、店主さんにその想いを伝えました。
「いやー、このエプロンはすごいですね!」
店主さん曰く、
「これね、オリジナルなんすよ。ポケットの位置、考えたんすよ。前かがみになった時に、重みでエプロンが前に下がらないようになってるんす。あえて、前でねく、後ろに」
「そうそう!」
「このエプロンしていれば、気分上がるでしょ。これ、服だったらちょっと派手だけど、エプロンだったらいいでしょう。やる気って大事だと思うんです。このエプロンしてる時は、仕事するけど、取ったらもう、今日の仕事は終わりだよ、みたいにオンとオフを切り替えれる、そんなエプロン作りたかったんです」
「そうそう!」
そして、お会計の間にも、いろんなものが目に入ってしまい、そこから延々と店主と道具の話で盛り上がりました。
見た目が素敵なのもいいのですが、ここのお店の品揃えは、料理する人や生活する人の立場になって、商品を選んでいるなぁと感じました。
あと「選ぶ」だけでなく、職人さんのところに行って職人さんと一緒にオリジナルの商品も創り出しています。
これがまた、愛着の湧くものばかりでした。
店主さんはこうもおっしゃっていました。
「俺、道具好きなんす。パッケージとか全然オシャレじゃないけど、これいいーっていう道具がいっぱいあるんすよ。職人さんが作ったものって、使いやすくていいんです。自分が使ってみて、いいなぁって思えるものを集めてるんす。あと、木工の職人さんが作ったものは、全部触ってみて。ちょっとずつビミョーに違うから。この角度、この厚さがいいってのが、人それぞれにあるんすよ」
道具が本当に好きなんだなぁと、伝わってきました。
ショップカードには、
「職人商売 ミンカ」
と書かれていました。
職人商売っていう言葉が、ぴったりです。
ぜったい、また、来るす!